良寛『死ぬ時節には、死ぬがよく候』〜コロナ禍を生き抜くために〜

私はこれまでの人生で戦争や東日本大震災のような大きな災害を経験したことはないし、大病に見舞われた経験もない。現在の新型コロナウィルスのパンデミックは今までで一番命の危険を身近に感じさせられる出来事だと思う。もちろん凡人である私は死の覚悟などできておらず、なんとか生き延びるための生活を心掛けている。そんな今、強く思い起こされるのが良寛の言葉である。

最も有名だが良寛は次のような言葉を残している。

「しかし災難に逢時節には、災難に逢がよく候。死ぬ時節には、死ぬがよく候。」

中野孝次氏はこの言葉を受けて次のように言っている。

これこそ人間の運命に対して持つべき心構えを、ずばり一言で言ってのけた比類のない箴言であるとわたしは信ずる。


『良寛に生きて死す』より

人に起こりうることはすべて自分にも来るのだと心得、平常からそれに対して心を定めておくべきだ、と良寛の言葉は言っているのだ。


『良寛に生きて死す』より

まさにパンデミックは人に起こりうることは自分にも起きることを嫌でも自覚させられる災難である。私はコロナに感染して苦しんで死ぬのは絶対に嫌だ。その時はその時だなどとは決して思えない。

人間、特に現代人は直接自分の身に危険が迫らない限り死を意識することはないだろう。いつか必ず死ぬと頭では理解していても自分の死については何となく他人事なのだ。それはこの状況下においても金儲けに奔走する連中がいることを見ればよくわかる。私も含めそんな連中は、自分が死ぬことなど想像できるはずもない。

しかし私は同時に、良寛の死に対して覚悟を決めた先の言葉がチラチラと脳裏をかすめるのも事実だ(これだけでも儲けものだろう)。良寛を含め過去の偉人たちの言葉を頭の片隅におきつつ、引き続き感染回避の生活を送ろうと思う。そして一刻も早くパンデミックが収束することを願う。

日常
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内向型人間が命ある限り生きていく

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